godlh
「いらっしゃいませ。」
店員は笑顔で、僕の言葉を待っている。それが、僕にむちゃくちゃプレッシャーをかけた。
「あ、あのぉ。」
緊張で喉がカラカラだ。
「はい。」
「ぎ、銀のぉ・・・。」
「はい?」
声が裏返って、何を言っているかわからなかったらしい。
「銀のナイフは、ありますか?」
落ち着いて、ゆっくり確かめるように話した。
「はい?」
同じ返事が返って来た。
―――あれ?わからなかった?
自分では、かなりはっきり言ったつもりだった。それなのに、返って来た応えは“はい?”だ。僕は、どうすればいいか戸惑ってしまった。
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