godlh
梢は、あゆみに気がつかれないように、頭は黒板の方を向き、目の動きだけで彫野を追った。
彫野を追えば追うほど、大きくなっていく気持ち。
どうしようもない気持ち。
でも、彫野を恐れている気持ち。
梢は、永遠にエンディングを迎える事のないゲームでもしている気分だった。
その気分に、イラつく。そして、あゆみと同じような衝動が芽生えた。
―――こんな気分にしたのは、あゆみ。あゆみがいなくなれば、全部うまくいくのよ。
ただ、どうすればいいのか、それがわからなかった。
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