godlh
あいつがいない。僕は慌てた。
―――どこに行った?
すぐ先に、小さな角が見える。
―――あそこを曲がったのか?
その角に向かって走り出そうとした時だった。僕は何かにつまずいて、豪快に転んだ。
「いてて・・・。」
何につまづいたんだろう、そう思って振り返った。
僕は、つまづいてはいけないものにつまづていた。
「あ、あわぁ。」
うまく声を出す事が出来ない。声だけじゃなく、体も激しく震えた。
つまづいたもの、それはあいつだった。
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