godlh
消えてゆく紅
「クソっ。人間の分際で。」
怒りに満ちたその眼は、あゆみのそれとは比較にならないくらいに、真っ赤に、この世の何物より真っ赤に染まっていた。
「まぁ、いい。別にあいつを殺さなくても、あゆみが、あゆみが気持ちを持ったまま、俺が連れ去ればいいだけだからな。」
まるで、自分を落ち着かせるためだけに、何かを言っているようだった。
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