オオカミさんと子リスちゃん

すると、大上さんが、私の耳元で、ぼそっと、

「アイツに笑顔、見せんなよな。」

と言った。


「普通に挨拶、しただけなんですけど…。」

反論すると、

「アイツ、マジでムカつく。
次、会ったら、絞めようかな」

大上さんは、笑顔で言ってのけた。


『大上さん、怖いんですけど…。
さらっと、笑顔で言っていることが…。』


「だめですよ。
そんなことしたら、停学になりますよ。」

「子リスちゃんと会えなくなるの、嫌だから
バレない程度にしようかな。」

冗談言っているのか、本気なのか、
よく分からない。


『…、いや、大上さんならやりかねないかも…。』

そう思った。