オオカミさんと子リスちゃん
大上さんの、すぐ横に行くと、私の肩に腕を
回し、引っ張られるように歩かされた。


「…、あの~、重いんですけど」

「俺が、したいからいいの。」

そのまま、歩く。


「あの~、大上さんの顔、怖いんですけど、私、何かしましたか?」

「別に。」

「何か、怒ってるみたいなんで…。」


お互い、無言の状態が続く。


先に、口を開けたのは、大上さんで、

「メイド喫茶みたいな服、着るんだろう。」

ぼそぼそした小声で、拗ねた口調で、話した。


「っ、えっ、あ、聞いてたの?」


「やめとけよ。」

「…、無理だよ、それは。
もう、決まっちゃたことだし…。」

「…。」


いつもの『俺様』な大上さんと違って、しょげた大上さんが、可愛く思えた。
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