【完】神様のうそ、食べた。
まるで、中学生みたいな、手を繋ぐだけでドキドキするこの気持ち。
私は、部長に甘えても良いのだろうか。
こんなに何でも受け止て許してくれる部長に、もう一度だけなんて都合良すぎる、のに
――止まらない。
「部長、熱は?」
「ああ。神さまに祈って貰ったら治った」
「あ、部長の家のホテルが見えますよ。綺麗ですね」
左手をポケットに突っ込みながら、少し落ちつかない素振りを見せる。
キラキラ輝く景色に、さっきまでの事が全て夢の中だったよう気持ちに襲われる。
ふわふわとネオンに溶け込んでいくような、気持ち。
部長の温かい手だけが、現実を繋ぎとめてくれている。
「なんで高速のパーキングに連れてきたか分かる?」
ふっと意地悪げな笑みを私に向けると、部長はそう言う。