【完】神様のうそ、食べた。
「夜景を見るためですか?」
有名なデートスポットなのかな?
学生時代のデートは、大分まで出かけるお買いものデートばっかだったので、大人デートのスキルは無い。
「高速のパーキングなんか置いていかれたら帰れないだろ? 俺の言う事を何でも聞かせる為だ」
「!!」
ククっと子供のように目を細めて笑う部長は、しっかりと私の手を握りしめた。
「言え。お前、けっこう俺が好きだろ?」
「はあ!? ち、ちがいます。ちがいます!」
「言わなきゃ置いて行くぞ、こら」
もちろん、本気じゃなくて意地悪なんだろうけど、ズルイ!
部長、ずるいです。
一日の疲れが吹っ飛んでいくような、部長の言葉に、夜風は冷たいのに体温がどんどん上昇していく。