【完】神様のうそ、食べた。
宮本先生が入っていった建物の方には、子どもを預かる部屋が見える。
子どもが持っている色鉛筆やシールや絵本が、私が働いていた光の森社のものだったのが見えて、ちょっとだけ緊張が和らいだ。
いいなって思う。
行きの車で見せてもらったお腹のエコー写真。
指や丸まった体、目をつぶる小さな顔。
あの小さな命がお腹に宿るのってどんな気分なんだろうか。
不思議。不思議でふわふわする。実感なんて湧かなかった。
勇気を出して、私から部長に連絡してみよう。
部長は、今私が此処に居るって分かったら、――どんな顔してくれるのだろう。