【完】神様のうそ、食べた。




ぽつぽつと子どもが居なくなると、手の空いた先生で校庭の草毟りをするのだが、同時に色んな業者さんが来る。

「あの人って、――『光の森』の営業の人でよね」

園長が忙しくて席を外していると、草むしりしている私たちに話しかけてきてくれる気さくな人。
『光の森』さんは、北九州に本社を置く、子どものお道具セットから絵本、遊具を扱う会社で、新作や担当が変わったり、または絵本を届けてくれたり。


一カ月で何回も見かける。

30歳もいってない、爽やかで営業だから話も上手い。



けど、20歳の明美先生を合コンに誘うなんてどうなんだろ??



「今、誘われたの?」

「はい~。みなみ先生も誘って、向こうは3対3らしいですよ」

ちょっと声が弾んでいる明美ちゃんに嫌な予感しかしない。


「私は、無理だよ。初対面の人とか上手く話せないもん。それに」


『光の森』は私が福岡で働いていた会社の子会社。

関わりはないものの、向こうを寿退職している身で、関連会社の人と合コンなんて恐ろしい。


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