【完】神様のうそ、食べた。

くるんと少し天然パーマの亜麻色に近い髪の、可愛い男の子。
家が複雑らしくて、詳しくは聞いていないが、温泉ホテルの祖母に育てて貰っている男の子。
ホテルは忙しいので、いつも預かり保育では一番最後なんだけど、人懐っこくて可愛くて先生たちから大人気だったりする。

「さるかに合戦。このさる、高崎山のサルだってパパいってたのー」

ちょくちょく父親が話に出るから、会っていない訳ではないらしいんだよね。

「あはは。あそこはお猿さん、沢山いるもんね」

「『ごうこん』にも鼻の下のびるおさるさん居るってぱぱが」

「ご!????」

こんな天使みたいな可愛い子に、なんでそんな話をするんだ、この子の父親は!


「こんどおさるさんみるんだって、ぱぱ」

「あはは。そうなんだね」

……もはや深く聞きまい。

真くんは私の苦笑いにきょとんとした後、にっこり笑った。

「せんせい、わらったおかお、かわいいね」

キラキラな笑顔で喋る真くんに、胸がキュンとなる。
君の方が何倍も可愛いよ!!


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