【完】神様のうそ、食べた。


「みなみっ!」

園に戻ると、汗だくの部長といつも通りのシスター姿の園長先生が立っていた。



「部長、園長先生っ。真くんは!?」

「――迷惑かけてすまない。さっきから家と保育園を何往復もしてるんだが見当たらないんだ」


「探す範囲を広げるしかありません。手伝って頂けますね?」

園長先生に言われ、部長が手に持っているこの近辺の地図を広げ始めた。


ジーンズに半袖姿の部長は、本当に着の身着のまま飛び出したような、いつもの余裕さが感じられない。

園長先生も重々しい空気を出している。



「あの、警察には……?」

明美先生がそう言うと、園長先生は頷く。


「この近辺をパトロールして探して頂いています」



警察も動いているのに、まだ見つからないなんて。


「私! 向こう探します! よくお散歩で行く公園があるんです!」


「俺はこっちを範囲広げてみます」


「じゃあ私はこっちのスーパーの中を」
< 202 / 281 >

この作品をシェア

pagetop