【完】神様のうそ、食べた。
「有沢さんが真くんに『みなみ先生とパパが結婚したら、弟も妹もお願いしたらダメだよ』って」
「は?」
「『良い子しか要らない』とかなんとか、何でそんな話になったのか分からなかったんですけど、……その、昨日届けに来た絵本が、神さまが赤ちゃんを届けに来る話で」
――何でそんな事を。
怒りで沸々と体温が上昇するのと同時に、益々真くんの心が心配だ。昨日、真面目で良い子な真くんはきっと傷ついたはずだ。
一昨日の産婦人科で出会した時に、私が不妊だって有沢さんは気づいたのだろう。
迂闊な私の行動にも苛々する。もっと人目に着かない遠い産婦人科を探すべきだった。
一辺に色々と頭の中に考えが過る。
優しい真くんが、
傷ついた真くんが、
楽しみな遠足を後回しにしてまで保育園に行きたい理由。
保育園にしかない物? 場所?
「――あ」
部長が具合が悪くなったあの日、神さまにお祈りしたあの時。