【完】神様のうそ、食べた。





「かみさま、ぼくはみなみせんせいとぱぱがなかよしなら、いもうとも、おとうとも、いりません」


ステンドグラスから流れ落ちる淡い光を浴びながら、真くんは必死でお祈りをしていた。



「……ほんとうはちょっとだけいもうとがほしいけど、でもじーじもばーばも、おともだちもいるからいりません。


だから、みなみせんせいのおなかのびょうき、なおしてください」



「真くん……」




大好きなパパとの遠足より、神さまにお祈りしに来てくれたんだ……。


真くんの優しい気持ちに涙がじわっと広がる。



優しくて、お日様みたいに胸をぽかぽか暖めてくれる。



「かみさまも、いいたくないのにいっちゃうこと、あるよ。まちがえちゃうこともある。まちがえはためいきにだして、むしゃむしゃたべちゃうんだ。ぼく、かわりにたべてあげるよ」


「……真くんっ!」

「真っ!!」


私と部長は、ほぼ同時に飛び出すと真くんを抱き締めた。



子どもに心配させて恥ずかしい。



嬉しいけど、胸が痛い。
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