【完】神様のうそ、食べた。
「何で……」
何で部長、ここにいるの?
最終に乗ってなかったのに。
「逃げないか試したって言ったら怒る?」
「ばっ」
じわっと滲む涙は言葉を奪っていく。
私がどれだけ不安だったのか、全然分かってない!
「ぶ、部長なんて嫌いです!!!」
そう叫ぶと、タクシー乗り場の係の人や歩いている人が振り返る。
注目されてるのは分かったけど、でも、もう人目なんて気にしていられない。
「あっそ。――俺は好き」
「私だ……って、え……?」
「早く抱き締めたいんだけど?」
え……?
あ、え……?
「お前、可愛すぎっ」
ククッと笑うと一歩近づいてくる。