【完】神様のうそ、食べた。
「あーあ……。福岡と大分って近いようで遠いですよね」
この手が、この唇が、すぐに駆け付けてくれるわけではなくなるんだ。
私も真くんと一緒に大分で部長を待つ身なんだ。
「あー……。あのさ、嘘なんだよな」
「嘘?」
ブルブルと濡れた頭を降りながら部長が言う。
「こんな1週間以上もうちの会社が有給使わせてくれるわけねーだろ?」
煙草を手に取った部長は何を思ったのかそのまま、ゴミ箱に投げ捨てた。
「仕事、辞めた」