【完】神様のうそ、食べた。
「みなみも俺選んでいいのか? 一応子持ちみたいなもんだけど、俺」
そう飄々と言う部長をついぽかんと見つめてしまう。
こんな仲になっておいて今更何を確認してるんだろう。
「くっ。お前は気持ちを飲み込むから言わせたいんだよ、馬鹿」
「…………」
なるほど。
もう私には代弁者も居ないんだし、そうだよね。
「私は、部長でいいか、じゃなく水樹さんが良いです」
そうどんな顔をして言っていいか分からず、 ぎゅっと目を瞑る。
「……やっべ」
ガバッと布団の中を潜り込むと、腕枕していた腕を抜く。
「可愛い」
「あの、部長、なんか目がギラギラしてます」
今にも飛びかかって来そうで怖い。
「可愛いことを言う、みなみが悪い」
そう言って、なんで服を脱ぎ始めるんですか!?
ボタンを留めていなかったシャツを器用にぬぐと、窓から差し込む光が部長をはっきり映し出す。