【完】神様のうそ、食べた。
「お風呂上がったよ……」
「お、じゃぁ飯食べよーぜ。お腹ぺっこぺこ」
お弁当を電子レンジに入れてボタンを押すと、侑哉はテレビを付けた。
何も聞かないのは、気を使ってくれているからか、私が話し出すのを待っているからなのか。
取り合えず、落ち着いた今は、もう口に出したくは無い。
忘れたい。
「飛鳥さんが、今度遠乗りに行こうって言ってくれたんだけど、そこドッグランがあってさぁ~」
「あのさ、侑哉。色々ありがとね。ごめんね。大丈夫だからね」
そう下を向いて言うと、自分のお腹が視界に入る。
『無排卵不妊』
私の診断結果は思ったよりも、ショックを隠しきれなかった。
もともと言いたいことを言わず、ストレスを溜めるせいか生理は不順だったけれど、ちゃんと来ていたのに。
『旦那さんのサポートがあれば大丈夫だから。無排卵月経と無月経か精密な検査とピルの服用が――』
先生の声が頭の中を駆け巡るのに、なかなか理解できない。
『それってお金かかりますよね』