【完】神様のうそ、食べた。
アットホームな二階建ての居酒屋で、侑哉と二人、お酒を飲んだ。
1階は、仕事帰りのサラリーマンや大学生たちががやがやと騒がしく飲んでいるが、2階はカップルや落ち着いて話す女子会用の見た目はBar。
観葉植物で区切られた、別府湾を一望できるガラス張りのカウンターに、隣同士で座る。
「ここさ、バイク仲間の師匠の店なんだ。裏にバイクの車庫があってヤバいんだよ!」
その台詞さえ無かったら、日頃女の子をこんなオシャレな所に誘っているモテ男くんかと期待できたのに。
ただのバイクの影響で出会った場所なんだね。
でも料理は居酒屋とは思えないぐらい美味しい。
中津からあげや、臼杵のフグ、関サバのカボスつけやら、地元の有名な名産物が次々運ばれてくるが、ホントに美味しい。
「……美味しいね」
「だろー? ここ、ジュースも美味しいんだって。ほら」
二人でメニューを覗いていたら、優雅なBGMをかき消す足音が階段からしてきた。
「侑哉! 彼女連れて来たんだってな」