わすれなぐさ
求めるモノ。(久世 愛美)
どうでもよかった。
今が楽で、辛くなくて、面倒じゃない世界なら。
それでも1人は寂しくて、怖くて…
そんな矛盾する自分が心底嫌いだった。
「…まぶし…」
カーテンから漏れる光がやけに眩しくて目をさますと、隣にいたはずの姿はもう居なかった。
感覚的に携帯を手探りで捜しボタンを押す。
表示された時間を見て、あぁ…と心の中で納得した。
隣にいた人物の出勤時間は当の昔に過ぎていたから。
そしてすぐにもう一度さっきと同じボタンを押した。
点灯する画面の光さえもうっとうしかったからだ。