わすれなぐさ
さがす答え(相浦 静也)
女に困ったことは多分ない。
別に自分の容姿を過剰評価するつもりもないけど、それでも、ないことはない。
なのに、俺は何をしてるのか。
それが最近よく思うこと。
「……」
目がさめて、起き上がって、枕元に置いてある煙草の箱を手に取る。
煙草を口に運んで、火をつける。
それは俺の毎日の習慣だ。
「んん…」
不意に隣から聞こえるそのくぐもった声に、視線だけ移せば、そこには未だ気持ち良さそうに目を閉じている姿がある。
その人物を俺はなんと口にしていいのかがわからない。
その人物こそ最近の俺の悩みだからだ。
10近く歳の離れたその人物は、彼女じゃない。
でも、一緒に生活を共にする女子高生。
捕まるんじゃねぇかな、なんて思うことさえ多々ある。
それでも何故か…この少女と一緒にいる。