儚いセカイ
ただあの女の人の声は懐かしいと思えた。
私はあの女の人を、知ってるはずだ。
それにしてもしなくてはならないってなんの事だ?
私がここでなにをしないといけないのだ。
わからない、わかるはずもない。
しばらく頭を捻ってると、突然声をかけられた。
「ねぇ、あなた新人でしょう?教えてあげようか、ここのルール。」
「ルール?あなたはここを知ってるのか?」
「ええ、まあね…。もうここに来て何年も経ったわ。」
「…そうか。ではここのルールとやらを教えてほしい」
「ええ、勿論よ。ここのルールは簡単よ。あそこに塔がみえるわね?」
そう言ってかなり遠くの大きな塔を指差した。