四季。彼と生きた青春
病院の向かいにある薬局で処方箋通りの薬をもらい、増えた荷物の価値も曖昧なまま外に出た。
落ち葉を蹴って歩く。
公園のベンチに並んで座ったとき、薬を入れたビニール袋ががさりと音を立て、わたしのどこかが締め付けられるように痛んだ。
待合室で引っ掻きすぎた手の甲が赤くミミズ腫れになっていた。
となりにいる彼がなにを考えているのか気になってどうしようもなくて、必要以上に感じる存在感に訳もわからず謝りたくなった。
『嫌いになったらいつでも殺して。最初も最後も平良が奪って』
秋の空の下、正しく息がしたい。
でもできない。
だって嗚咽が止まらないし、彼が痛いくらいに抱きしめるから。
きっと夕陽はきれいなのに、彼の所為でなにも見えない。
息も苦しい。
胸が痛い。
でも、あたたかいからそれでいい。