あの子になりたい
「うん。分かった。」
「あと言うまでもないと思うけど、明日から迎えに来なくていいから。」
「え.....?」
あからさまに驚く拓馬。
「当たり前でしょ!拓馬にはさやちゃんがいるんだから。さやちゃんのこと悲しませちゃダメだよ。」
「だな。分かったよ。」
「じゃー帰った帰ったー!」
私は拓馬の背中を押して部屋から出した。
パタン
私は拓馬が帰ってから扉にもたれて静かに涙を流した。
「ヒック...拓馬ぁ。」
この想い、拓馬に届くはずないのに。