ヒマワリ君の甘い嘘


「日向、そこ。」



きっと聞いていたのは私と、優等生くらいだろうけど、先生が日向くんに席を教えた。



先生の視線の先にあるのは、私の隣の席。



えっ!?



驚いて隣を見ればだれも座っていない椅子と机が置いてあるだけ。


なんで!?昨日まで無かったのに…!




私の心の準備なんか知らずに、日向くんは静かに隣の席についた。



バッと先生を睨みつけると、すまんすまん。と言うように手で謝って見せたけど、そのあとすぐに頼んだぞ、なんて目で見てくるから嫌になる。



クラスの視線が日向くんに集まるに伴って、私も見られているような気がして顔を上げられない。


どうしよう。
こんなんじゃ授業出来ないよ…



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