ヒマワリ君の甘い嘘
「三年も経ってる。変わるに決まってるだろ」
そっか…
三年も経つんだ…。
「日向くん、だったんだ…」
あの人が
目の前に居る。
そう思っただけで、涙が出そうになった。
ずっとずっと会いたくて、
会えないっておもってたのに…。
こんなにも
近くにいたんだね___
「久しぶり」
きっと、私達には
この言葉がピッタリ。
覚えていてくれた事が嬉しくて、
会えたことが嬉しくて、
どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
ずっとずっと、隣に居たのに。
嬉しい私とは裏腹に、彼から返ってきた言葉は鋭く私の胸を貫いた。
「俺はあの時の俺じゃない。今の俺はお前なんて知らない」
そんなこと、言わないでよ。
そんな辛そうな顔で言われたって、
離れようにも、離れられないじゃない…
私は、あの人の、
日向くんの、笑った顔が好きなのに。
こんな辛い顔、見たくないよ…
なにもかも変わったんだ。
前の私たちから、全部。
だけど…___
「それでも、私の中では日向くんだよ」
自分でもなにを言って居るのかよくわからないけれど、
それでも、私は今目の前に居る人を、違う人だなんて思いたくない。
だって、あの人が日向くんってわかって
こんなにも嬉しいのに。
そんな哀しいこと、できないよ…
「日向くんが違うって言っても。私の中ではあの時からも…今も、日向 葵生くんだよ」
笑うことしかできないけど。
今の私にはそれが精一杯。
熱のおかげかな…?
いつもより、ずっとずっと上手く喋れてる気がする。