ヒマワリ君の甘い嘘
私が言おうとしているところを、日向くんの落ち着いた声に遮られた。
フェアじゃない、なんて
日向くんぽい…。
私が顔を上げて、その瞳を見ると、日向くんは優しく微笑んだ。
「俺も、あの時からずっとお前の事が好きだった」
「……っ」
私がさっき言ったように、日向くんも言う。
私が言えなかった二文字を、こんな簡単に言ってしまうなんて。
言われた側は、嬉しくて
緊張して、恥ずかしくて
心臓が口から出てしまいそうなのに。
その気持ちが伝わったのか、また涙腺が緩み始める。
目頭が熱くなる。
ツンとした痛みが、私を襲った。
堪えてみたけど、上手くいかなくて、それは日向くんの手で受け止められた。
日向くんが優しく私の頬に触れる。
触られたところが、熱くなってしまう。
「今…は…?」
ちょっとした仕返しに、私も意地悪の真似をする。
日向くんはクスリと笑って、私に向かって言った。
「質問返しかよ」
私と反応がまるで違う。
やっぱり日向くんは凄いや…
顔色ひとつ変えずに、いまもずっと私の目を見つめてくる。
日向くんが口を開いた。
ドキドキ高鳴る心臓。
今は、…_____?
「俺は、今も好き」
真っ直ぐ私を見て。
「って言ったらどうする?」
「…っ、日向くんの意地悪!」