ヒマワリ君の甘い嘘
び………
びっくりした…………。
あんなにも近くで日向くんを見たのは、初めてだけれど、
やっぱり
肌が綺麗で、カッコいい。
当の本人は立ち上がって、制服を直している。
「あの…日向くん…」
「なんだ?」
「日向くんって…インフルエンザ?」
「………………は?」
そりゃ、そうなりますよね。
前々から気になってたんだよね、
日向くんが一週間も休んだ理由。
思い切って聞いてみようって、有言実行したものの…
タイミングを間違えた。
「…なんで?」
日向くんは眉根にしわを寄せて聞いた。
「いや…。一週間も風邪で休んでたから……」
一週間もだなんて、インフルエンザぐらいしかないでしょ。
私が言うと、日向くんはため息を着いた。
「違ぇよ。こんな時期にインフルエンザなんてなるわけないだろ」
「つーか、俺ならねぇし」と付け加える彼。
「じゃあどうして一週間も…」
「最初は一日だけ休むつもりだったんだよ。……お前があの時会った奴だってわかって、
次の日どんな顔していいか分かんなかったし…」
淡々と、彼は続ける。
日向くん、あの時にもう気づいてたんだ……
「そしたら次の日結膜炎なって、コンタクトつけられねぇから学校休んでた」
「これ、カラコンだから」そう言って、レンズが入ったケースを私に見せた後、保健室の鏡の前で、それを目に入れ始める。
カラコンだったんだ…
どおりで真っ黒なわけだ…。
「で、最終的に本当に風邪引いた」
なんか、
災難続きじゃん…。
コンタクトを入れ終わった日向くんは、私のベットの前に来て、起き上がろうとしている私を止める。