ヒマワリ君の甘い嘘
苺ちゃんは、クラスの中心にいる女の子で、いかにもって感じの性格。
髪はクリーム色に染めてフワフワだし、目だって大きくて雰囲気は小動物みたいな感じだ。
けど喋ってみると中身はそうじゃなくて、どちらかというと接しにくい。
私が話すのが苦手だからだと思うけど、苺ちゃんに話しかけられてしまうと
その会話の畳み掛け方にどうも固まってしまう。
なんというか、目で相手を殺している感じ。
苺ちゃん達の会話から聞こえてくるのはほとんど悪口ばかりだったり、いろんな男子とも仲がいい。
一体いままでに何人と付き合って来たのだろう…
苺ちゃんに話しかけられた日向くんは、微笑むことも一切なく、ただ“質問に答える”ってだけの切り返し。
それに苺ちゃんたちも少し戸惑ったみたいで、それ以上は会話を続けようとせずにニッコリ笑って立ち去っていった。
「取り敢えず、フレンドリーな感じではないわね。日向」
「友達とかいらない、って感じのオーラだね」
「それはマズイでしょ〜!これからやってけないよー?」
「あ、そうでもないみたい」
クラスの男子が何人か日向くんに話しかけている。
「お。高崎じゃん」
華が腕を組み直しながら言った。