ヒマワリ君の甘い嘘


「そうなんだ…」



私の言葉に「ん」とだけ返事をすると、ちょうどチャイムが鳴り、それと同時に彼は“サボり”に行ってしまった。



ポツリ残された私は、小さくなって行く日向くんの背中を呆然と眺める。



そんな中、私の視界に華が大きく映った。




「わっ!華…!どしたの?」



「どうしたの?じゃないよ!」



鼻息を荒くして言う華を、私はポカンとした顔で見る。



「王子と小夏、なにかあったでしょ」




―ギクリ



と、効果音がついてもおかしくないくらいに、私の顔と体が強張った。




「図星ね」




私の反応を、鋭く見抜いた華は誇らしげに笑みを作る。




「な...なんで.....」



「なんでって、小夏の顔見てたら誰でもわかるわよ」




「すーぐ顔に出るんだから」と、彼女は呆れたように付け加えた。




そ、そんなに顔に出てたのかな....?



これでも頑張ったほうなんだけど...って、そんなこと胸を張って言えない。




さっきの私は、日向くんの顔もまともに見てないし、それに全然喋ってなかった。


そりゃバレちゃうよね…




「で?何があったの!?教えてよ!!」



今度は目を輝かせながら私に聞いてくる。





「...........それが________



< 122 / 201 >

この作品をシェア

pagetop