ヒマワリ君の甘い嘘
side another girl
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「はっ!?ちょ、え!?お前ら付き合ってんの!?」
「高崎、声デカすぎ」
二限目の自習の時間に、先生がいない事をいい事にクラスはそれなりにざわざわし始める。
もう二年生だっていうのに、勉強する気がないあたしたちは、小夏と日向の席の周りに集まって、いつものように離していた。
訂正。
いつもと少しだけ違うのは、この目の前の二人が彼氏彼女になった、ってことだけ。
あたしたち友人二人は、今さっき二人が付き合ってるっていう報告を聞いた。
ま、あたしからすれば凄く嬉しいし、予想もしてたし、そんな驚くことではないけれど。
こいつは違ったみたいだ。
「葵生が立花さんの事好きなのは、なんとなく分かってたけど…………まさか、両想いだったなんて……」
それはあたしも同感だわ。
両想い、ってところにビックリ。
「へぇ〜、そっかそっかぁ〜。おめでとう」
高崎はニコニコ笑って言う。
中学の時から、何も変わってないこの笑顔。
変わったのは、ルックスと身長と声だけ。
それ以外は何も変わってない。
凄くいい事だと思う。
あたしは中学の時から、高崎の元気で明るいところが、人間として好き。
偉いなーって思う。
ずっと笑ってるのって、結構大変だし、
そう思うんだ。
「(まだ二限目かー……早く昼休み、なんないかな)」
なんて、
期待するだけ無駄。
幸せそうな二人と、嬉しそうな一人の前で、引きつった笑みを作る私の中に浮かんできた、その思いを
あたしは心の中で一喝した。