ヒマワリ君の甘い嘘
こんな時に掘り返すのもアレだけど、

中学の時、実は高崎のコトを少しだけ気になってた時期があった。



いつもクラスの中心に居て、誰とでも楽しそうに話すし、時にはクラスをまとめる役にもなってたし、


はじめは単純に、凄いなぁって思ってた。


だけど、気づいたらいつも目で追ってて。



よくある話。



今思うと、好きだったかどうかもよくわからないけど、他の男子なんかより、いつも高崎ばかり見ていた。




「(ま、昔の話だけど……)」





隣を歩く高崎の横顔は、昔より大人びてて、本当の“男子”になってしまった。


背だって、163あるあたしより10センチ以上は高い。




そんな高崎が、あたしの視線に気づいたのか、こっちを見た。



「なに?」




「背、伸びたなぁって思って」



「あー…。俺高校入ってからめちゃくちゃ伸びたからね」



「中学の時はあたしと変わらなかったもんね」



「はは、そうだったな〜。160ピッタリだったからね、高校入る前は」



あたしの頭の中にミニサイズの高崎が浮かぶ。

自分で考えたのに、その小さなデフォルメを想像して、ちょっとだけ笑ってしまった。



高崎に連れられて、オシャレなカフェに入り、一番奥の席に座る。



「ここでよかった?」という高崎の丁寧な質問に、頷いてそれぞれの飲み物を注文した。




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