ヒマワリ君の甘い嘘
「白石って、中学の時の事とか話すんだね」
質問の意味が、よくわからないんだけど…
「どういう意味?」
あたしの質問返しに、高崎は困ったような笑みを浮かべた。
「いや、あんまりそう言う話してるの聞いたことないからさ」
まぁ、高校入ってからほとんど小夏と一緒にいるし、そんな話にもならないから。
「でも、割りと覚えてるよ。普通に楽しかったし」
それに、とあたしは付け加える。
「高崎もすごい楽しそうだったな」
「えっ、俺?」
「うん、高崎」
ふふ、とあたしは笑って、ドリンクを飲んだ。
高崎も、笑っているあたしを見て、「なんだよその笑みはー」なんて言って一緒に笑ってくれる。
また、だ。
その笑い方をされるたび、
自分は独りなんだと、思ってしまう。
苦しい。
「高崎は……」
「ん?」
「なんでいつも楽しそうに笑ってるの?」
あたしの質問に不思議そうな顔を一瞬だけ見せてから、うーん、と考え込んだ。
「笑ってれば、いいこと有りそうじゃん?」
そしてまた笑うんだ。
「なんだそれ」
なんて、軽く返したけど、心の中では
あたしにも、
笑っていれば、いいことあるのかな。
なんて、ちょっと思った。