ヒマワリ君の甘い嘘


「白石って、中学の時の事とか話すんだね」



質問の意味が、よくわからないんだけど…


「どういう意味?」



あたしの質問返しに、高崎は困ったような笑みを浮かべた。



「いや、あんまりそう言う話してるの聞いたことないからさ」




まぁ、高校入ってからほとんど小夏と一緒にいるし、そんな話にもならないから。



「でも、割りと覚えてるよ。普通に楽しかったし」



それに、とあたしは付け加える。



「高崎もすごい楽しそうだったな」



「えっ、俺?」



「うん、高崎」



ふふ、とあたしは笑って、ドリンクを飲んだ。



高崎も、笑っているあたしを見て、「なんだよその笑みはー」なんて言って一緒に笑ってくれる。



また、だ。



その笑い方をされるたび、

自分は独りなんだと、思ってしまう。




苦しい。






「高崎は……」



「ん?」



「なんでいつも楽しそうに笑ってるの?」




あたしの質問に不思議そうな顔を一瞬だけ見せてから、うーん、と考え込んだ。



「笑ってれば、いいこと有りそうじゃん?」



そしてまた笑うんだ。



「なんだそれ」




なんて、軽く返したけど、心の中では




あたしにも、



笑っていれば、いいことあるのかな。




なんて、ちょっと思った。





< 136 / 201 >

この作品をシェア

pagetop