ヒマワリ君の甘い嘘
昨日散々泣き顔を見られたあたしが、何でその張本人と一緒にお昼しなきゃいけないのよ…!



こういう時の小夏は、無自覚の癖に、妙に痛いところを突いてくる。




あたしがうな垂れたと共に、チャイムが鳴り、あたしと高崎は急いで自分の席に戻った。




どうせなら、学校を休んでしまった方が楽だったのかもしれない。



そうすれば、こんな恥ずかしい気持ちになることはないし、



裕也とだって、会わなくてすむ。




元々、裕也は理数科で、あたしは文系で棟が違うから会うことはほとんどないのだけれど、もしバッタリ会ってしまったりしたら、どんな顔をしていいのか分からない。


泣きそうになったりするのだろうか。



いや、そんなことにならないよう努力する。


意地でも笑って、すれ違ってみせる。




もう、裕也なんか



忘れた。






なんて。



そんなの嘘。


そんな簡単に忘れれるわけない。


あたし、そんなことができるほどできた人間じゃないもん。



今は堂々と、胸を張って“忘れた”とは言えないけれど、近いうちそれが出来る様に頑張るんだ。



いつまで経っても未練タラタラなダメ人間では居たくない。




辛くても、


それ意外に方法なんてないから。




< 141 / 201 >

この作品をシェア

pagetop