ヒマワリ君の甘い嘘
甘い嘘
side girl
***
今頃、日向くんはお母さんと話してるのかな……
夕方にここに来るって言ってたけど、
もう1時間前からずっとここにいる。
まだ4時にもなってないのに。
「はは……なにしてるんだろ、私」
……だって、私だけ何もせずにいるなんて、ダメな気がして……
前、日向くんの家に遊びに行った時、
新しい日向くんのことを知った。
あんな日向くん、初めて見た。
本当に、お母さんに会いに行けなんて行って良かったのかな……
さらに喧嘩して帰ってきたりとかしたらどうしよう…
「(それは確実にヤバイ……、)」
やっぱりあんなこと言わなきゃよかった……!!!
「…小夏?」
日向くんのマンション前にあるベンチに腰掛けていた私の後ろから聞こえた声。
「日向くん!?」
慌てて振り向くと、日向くんが驚いた顔で突っ立っている。
「お前なにしてんだよ、まだ4時にもなってねえのに……」
あはは……ごもっともです。
日向くんの長い手が伸びてきて、私の頰に触れた。
思わず体をビクつかせてしまう。
「冷た……。まさかずっと待ってたのか…?」
「……う、うん」
なんで日向くんって、なんでも見抜いてしまうんだろう。
嘘つく前からもうバレてるし……!
「えーと……!そ、それより!どうだった?」
慌てて話題を変えてみたものの、日向くんは反応しない。
呆れられたのかな…
って、ん?日向くんの様子がいつもと違う。
「どうしたの?なんか目赤く____っ!?」
突然、抱きしめられた。
あまりにも急すぎて私の頭は追いついていかない。
「日向くん……?」