ヒマワリ君の甘い嘘
「ふ……、真っ赤」



「仕方ないじゃん…!」



恥ずかしくて直視できない。



「〜っ、やっぱ無理!!」



無理だよこんなの耐えられない…!


勢いよく起き上がり、さっきと同じ体勢に戻す。



「…はいはい」



渋々と嫌そうな顔で、日向くんも身体を起こした。



「じゃあこれは?」



今度は何をするつもりなんだこの人……



「はい、立って」



「・・・・」


言われるがまま、立ち上がる。



「こっち___」



そう言って手を引く力に促され、私が座ったのは、



「言っとくけど、今度は嫌って言っても離さないからな」



日向くんの膝の上。


しかも向かい合ったまま。




ギャーーーーーー





どうしよう爆発してしまう。



さっきより近いし、さっきより恥ずかしいよ!!



「…………っ」



目も合わせられないし、喋ることだってできない。



「今日俺頑張ったんだから、これくらいいーじゃん」



“ご褒美ってことで”
そう言って満足そうな笑みを浮かべる。




そしてポスリと私の肩に顔を埋めた。




「本当…………ありがとな」




「え……__ 」




…どうしたんだろう、急に



「(今日の日向くん、変……)」



私の頬に添えられた手が熱い。



「……顔、こっち」



引き寄せられるがまま、私たちの距離はどんどん縮まる。



鼻先が触れてしまうほどの距離で、日向くんは口を開いた。




「………………好き」



息が、かかる。

なんて、考えていたら次回は一瞬にして彼で埋まった。



日向くんの優しいキス。



少し唇が触れただけなのに、胸が苦しくなる。



「……っ、幸せすぎてどうにかなりそー…」



二度目のキスは、ちょっぴり大人のキス。



日向くんが好きで好きで、どうにかなってしまいそう。



どうしようもないくらい、君が好き。


身体なんか、邪魔だと思ってしまうほど
日向くんが好き。



「……日向く…、すき……」



私の髪を撫でるその手が、


私の名前を呼ぶその声が、



全部全部、愛おしいよ。



「っあーーー、ヤバイ。無理」



「……へ、」



「っ、今こっち見んなよ」



もう既に見ちゃってるんだけど……

真っ赤な日向くんは、グイッと私を遠ざけた。



「本当、これ以上はマジで無理」



なんのこと言ってるのかさっぱりだ……



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