ヒマワリ君の甘い嘘
ちょっと前
***
「葵生、…私たちともう一度暮らさない?」
「え…___」
「…ダメ、かしら…」
“うん”
そう言いたい。
だけど、____
『私、待ってるよ』
「ごめん。暮らせない」
どうして、とでも言うように、母さんは悲しそうな顔をした。
「一緒に暮らしたく無いわけじゃないよ」
できることなら、一緒に暮らして
みんなでご飯食べたり、いろんな事したいけど
「一緒に居たい人がいるんだ」
俺を待ってると言ってくれた人が。
「だから、ごめん。暮らせない」
離れるわけには行かないから。
「そう…、わかったわ」
そんなに悲しい顔はさせたくないのに
「じゃあ今度三人でご飯行きましょう!」
「え____」
「それくらいいいでしょう?」
「あ……う、うん。全然いいけど…」
「葵生にそんな大切な人がいるなら、無理に言わないわ」
大切な、人。
そう、
小夏は俺にとって、すごくすごく
大切な人だ。
これから先、何があっても
きっとそれは変わらないままで。
君の笑顔のために
隣で支えて、
君を抱きしめて、
君に優しくキスをして、
隣で笑って。
fin.