ヒマワリ君の甘い嘘

ちょっと前









***





「葵生、…私たちともう一度暮らさない?」



「え…___」




「…ダメ、かしら…」





“うん”



そう言いたい。



だけど、____






『私、待ってるよ』






「ごめん。暮らせない」



どうして、とでも言うように、母さんは悲しそうな顔をした。




「一緒に暮らしたく無いわけじゃないよ」




できることなら、一緒に暮らして

みんなでご飯食べたり、いろんな事したいけど




「一緒に居たい人がいるんだ」



俺を待ってると言ってくれた人が。





「だから、ごめん。暮らせない」




離れるわけには行かないから。





「そう…、わかったわ」



そんなに悲しい顔はさせたくないのに




「じゃあ今度三人でご飯行きましょう!」




「え____」




「それくらいいいでしょう?」



「あ……う、うん。全然いいけど…」




「葵生にそんな大切な人がいるなら、無理に言わないわ」




大切な、人。







そう、


小夏は俺にとって、すごくすごく




大切な人だ。






これから先、何があっても


きっとそれは変わらないままで。







君の笑顔のために




隣で支えて、



君を抱きしめて、



君に優しくキスをして、




隣で笑って。











fin.
< 190 / 201 >

この作品をシェア

pagetop