ヒマワリ君の甘い嘘

「そう言うあんた達はどの位だったの?」




「えっ、いや…!私…!?」



さっきまでさんざん私に言ったくせに、
自分の話になると赤くなるとか意味わかんない。




「………2ヶ月の後半…?」




小夏は慌てて付け加える。



「ち、違うよ…!日向くんが……その、…強引で、…別に私は…」




「どっちにしろあたしより速いじゃん!!!」




って、


あぁ、もうヤダ。


あたしこんなキャラじゃないのに…




…ていうか、




「自分で言っておいて何赤くなってんのよ」



小夏は苦笑いしながら空を仰ぐ。


顔が真っ赤だ。



「いや、あはははは…。恥ずかしいなって」



まあ、男子が聞けないくらい
ものすごいガールズトークよね。


あたしは手のひらで顔を覆った。



高崎のくせに。



もっと、そーゆーことしたって

あたしは全然いや、じゃ…ないのに。




なんであたしがこんな事で悩まなくちゃいけないの…



「華からしたらいいじゃん」



は…、


あたしから?






いやいやいや、



「嫌よ、そんなの」



そんなの、できないに決まってるじゃない。



「…なんで、あたしが…」



「華って本当ツンデレっていうか、マンガのキャラクターみたい」



しみじみと小夏にそう言われて、あたしは思わず身を乗り出した。



「はァ!?ツンデレとかやめてくれる!?」




あたしの剣幕に圧倒されたのか、またさっきのように平謝りする小夏。



あたしのどこがツンデレなのよ…




「………時間も時間だし、あたしそろそろ帰るね」




チラリと時計を見れば、もう6時を回っている。



きっともう外は真っ暗だろう。





「あ、ほんとだ!」




小夏はあたしを玄関先まで送ると、両手をこすり合わせながらこう言った。




「言ってみる価値はあると思うけど…」




「何?」




「あ、いや…高崎くんに。言って損はしないと思うよ」




「………………あっそ」









< 192 / 201 >

この作品をシェア

pagetop