ヒマワリ君の甘い嘘
小学校に比べて、中学校は宿題が多くて
成績がそんなに良くない私にとって、中学一年生の宿題の量なんて大事件。
「(えーっと、今日のは数学と、社会だったっけ…)」
頭に浮かぶワークの表紙にウンザリして、ため息をついた。
空を見上げれば、まだ雨粒が降ってくる。
パラパラと、雨が屋根に当たって音を立てて、カエルの鳴き声より煩く鳴る。
さっきより雨が強くなったみたいだ。
「(いつやむのかなあ…)」
そんな私の気持ちに対抗して来るように耳に入ってくる雨音。
バシャバシャ、
新しく聞こえて来るこの水音に気がついて顔を上げると、土砂降りの中を男の子が走って来るのが見えた。