ヒマワリ君の甘い嘘
声のする方を見ると、高崎くんが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「えっ、あ……、えーっと…」
そういえば私、高崎くんとまともに喋ったことないんだった…!
普通の人よりかは優しくて話しやすそうだけど…私最近人見知りっぽくなってきたもんなぁ…
「…なに?」
高崎くんは首を傾げる。
「…今日の課題のワーク…が、無くて…」
聞こえにくそうなくらい小さな私の声。
高崎くんくんから目を逸らすと、高崎くんの隣に座って携帯を弄っている日向くんが目に入った。
携帯使用禁止なのに………じゃなくて!!
気が逸れないように高崎くんとの会話に集中する。
「ワーク?国語のやつ?」
「う、ん」
私が答えると高崎くんは小さく笑った。
「ちゃんと探せばあるよ絶対。ロッカーは?」
あ、ロッカーの存在忘れてた。
走ってロッカーを覗いた私は積まれた教科書の中からそれを引っ張った。
「あった…!!!」
普通にあるじゃん…!!!なにやってんの私!
超ダサい.........
「...ごめん高崎くん!普通にあった!」
「ほらなー!俺の言った通り〜!」
ケラケラと笑う高崎くん。
なんだか非常に申し訳ない。
「鈍くさ」
ん?
…今の日向くんの声だよね?
「おい葵生〜、こういうの鈍臭いとかじゃなくて可愛いっつーんだよ」
確かに鈍臭い、けど、そんなストレートに言わなくてもいいじゃん…!