ヒマワリ君の甘い嘘
「俺は別に青春するつもりなんて無いんだけど」
「お前はな。俺はあんの〜」
そう言って呟きながら、俺の隣に視線を向けた。
「お。」
なんだ…?
俺も追う様に視線を向けると、隣の席の………えーと、名前なんだっけ、
…まぁ、隣の席の奴が机とカバンの中身を慌てて探っている。
「(なにしてんだコイツ)」
「どしたの?」
高崎は直ぐに声をかける。
すると女は、ビクッと震えてから俺たち…っていうか高崎をチラリと見た。
いや驚き過ぎだろ。
「えっ、あ………、えーっと…」
全く俺たちとの視線が合わない。
授業でたまに話したりするときもいつもこんな感じだ。
「…なに?」
高崎も不思議そうに首を傾げている。
「…今日の課題のワーク…が、無くて…」
ちっせぇ声。
「(めんどくさ…)」
俺は息を吐いてから、携帯の画面に視線を落とした。
それでも高崎は続ける。