ヒマワリ君の甘い嘘
俺は知らんぷり。
ケータイの画面を見つめ続ける。
すると、高崎が呆れた様にため息を吐いた。
「おい葵生〜、こういうの鈍臭いとかじゃなくて可愛いっつーんだよ」
……………可愛い
どこが?
「どこがだよ。普通に考えてカバンにも机にも無かったらロッカーしかねぇだろ」
俺の目に映るのは青白く光る画面だけ。
「ばぁか。天然で可愛いだろうが!その良さもわかんねぇとか損してんぞお前」
「別にわかりたくねぇし」
「だってさ、立花さん。こいつ女慣れしてないだけだから。許してあげて?」
高崎は知った様に、笑いながら俺を指差す。
「黙れクソ野郎」
知った様な口聞くんじゃねぇよ、高崎のくせに。
まず、人のことを指差すとか常識覚えろっつーの。
隣の席の奴が、俺たちに声を掛けたみたいだけど、俺と高崎の耳には届かない。
「あぁ!?クソ野郎とか汚ねぇ言葉使ってんじゃねえよ」
バン、と机を叩いて身を乗り出す高崎。
「はー………ウザ…」
「あの!!…っ高崎くんありがとうございました!鈍臭くてごめんなさい!さようなら!」