ヒマワリ君の甘い嘘
立花
っていうのか。
そういえば、転校して直ぐに借りたワークに「立花小夏」と書かれたのを見たことがある。
「……やっぱ鈍臭い」
そう言って、俺はまた笑った。
「いや、気持ちは分かるけどさ…。俺もあんなトコ始めて見たし」
「…何が?」
「いや、立花さんだよ。普段はそんなにうるさく無いじゃんあの子」
高崎はそう言って立花の席に、視線を向ける。
「 へー 」
「なんだよその興味なさそうな返事」
興味ねぇからに決まってんだろ。
また頭に浮かんできた、立花のあの顔を思い出して、笑を堪え切れずに吹き出す。
俺はちょっとだけ嘘をついた。