ヒマワリ君の甘い嘘


立花


っていうのか。



そういえば、転校して直ぐに借りたワークに「立花小夏」と書かれたのを見たことがある。



「……やっぱ鈍臭い」




そう言って、俺はまた笑った。


「いや、気持ちは分かるけどさ…。俺もあんなトコ始めて見たし」



「…何が?」



「いや、立花さんだよ。普段はそんなにうるさく無いじゃんあの子」




高崎はそう言って立花の席に、視線を向ける。



「 へー 」


「なんだよその興味なさそうな返事」


興味ねぇからに決まってんだろ。



また頭に浮かんできた、立花のあの顔を思い出して、笑を堪え切れずに吹き出す。







俺はちょっとだけ嘘をついた。




< 31 / 201 >

この作品をシェア

pagetop