ヒマワリ君の甘い嘘
side girl
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『鈍くさ』
さっきから私の頭の中は、日向くんの一言でいっぱい。
ぐるぐるぐるぐる、言葉が回る。
日向くんも日向くんだけど、私も私だよなぁ………。
すっごい大きい声で叫んで、そのまま教室出てきた訳だし……
正直言って、気まずいし恥ずかしい。
私は目の前にある教室の扉を睨みながら、三分ほど固まっていた。
「はー…やだなぁ…」
なんであんなこと言っちゃったんだろ…
きっと、高崎くんにも変な人って思われてるに違いない。
あの時はムカムカしてたから、勢いで言っちゃったけど、いま考えたら別にそんなに怒ることじゃないし…
もともとは私がちゃんとロッカー探さなかったのが悪いわけだし…
「あぁ、もう…!」
変な被害妄想ばかりがどんどん膨らんでいくのを首を、振って無理やり止める。