ヒマワリ君の甘い嘘
今日の朝たまたま奇跡的に席替えとかしてくれないかなぁ………………………………
………なわけないか。
「おはよ、立花さん」
「ふぇ!?」
「あはは。そんなビックリしなくてもいいのに」
扉の前でカバンを握りしめて、一人でブツブツ言っていた私に、高崎くんが声をかけてきてくれたらしい。
…こんな場所にいたら邪魔だよね…
私は通行禁止看板のように教室の扉を塞いでいた。
「ご、ごめん…」
昨日の放課後の出来事を考えると上手く喋れない。
「なんで謝るの、立花さんなんもしてないでしょ?」
高崎くんは爽やかに笑いなが、シャツの袖を捲った。
そういえば、前も日向くんにこんなこと言われたな……
私って、直ぐ謝っちゃう癖があるのかも。
「それに、謝るのはこっちのほうだし」
「え?」
「いやー、昨日さ、何か怒らせちゃったみたいで…ごめんね?」
昨日のことを高崎くん本人に掘り返されてしまって、私の顔は真っ赤っか。
「いやっ…いいの…!私こそ大声出しちゃってごめんね」
なるべく視線が合わない様に下を向いて謝る。
高崎くん、すっごく優しい…!
私が悪いのに…!
…でもそれ以上に恥ずかしくて、
「(あんなこと言わなきゃ良かった…!)」