ヒマワリ君の甘い嘘
「えっ!?」
高崎君の言葉に驚いた私は、思わず日向くんを見てしまい、
そして、目があってしまった。
これで目が合うのは二回目。
真っ黒で、まん丸で、綺麗で。
睫毛は男の人なのに、凄く長くて。
目だってモデルさんみたいに綺麗な形。
瞳には前髪が少しかかっていて、
だからあんなにも表情を読み取りにくいのかな?
「(吸い込まれそうな目……)」
「………悪かった」
日向くんの言葉にハッとした私は、思わずもう一度、その瞳に目を向ける。
日向くんは、そっぽを向いたまま。
え?
謝ってくれた…、の?
「あれ?お前がこんなあっさり…珍しいじゃん」
高崎くんが、日向くんを覗き込む。
「あ……全然、大丈夫です…。こっちこそ、ごめんなさい」
私は日向くんの目を見ない様に、深くお辞儀をして、素早く教室に体を滑り込ませた。
この二人の会話からいくら早く抜けても、日向くんはどうせこの席の隣に座る。
______はじめてみた……。
昨日の高崎くんとの会話では、絶対に自分が下手に出るような言葉は言わなかったのに。