ヒマワリ君の甘い嘘


「はぁい」



答え写したの、やっぱりバレちゃったかー…。


今日は、華と寄り道してショッピングに行く予定だったのに…一緒に帰れないなぁ。



「立花さん。顔、スネ夫みたいになってるよ」


私の後ろから聞こえる、笑い声。


「高崎くん…!」


私は慌てて口を隠す。


「はは。…今日お残りなの?」


「うん…」


うちの担任、いつもめんどくさそうな顔してるくせに、こういうところはしっかり細かいんだよなあ。


でも、先生にこんなこと言ったら、きっと『お前らの為にやってんだよ』とか言われそう。


「もしかして俺達のせい?」


…?


ん?なんでそうなるの?


私が首を傾げると、


「あー、いや…。俺らのせいでワーク忘れちゃったとか?」


と、申し訳なさそうな高崎くん。


「ううん。私が家に帰ってもやらなかっただけだよ」


まぁ、高崎くんと日向くんの言葉に翻弄されて、集中できなかった、っていうのも少しはあるかもだけどね…



「そっか…ならいいんだけど。…あ、なんなら手伝おうか?」


「へ!?いいよ!悪いし」



高崎くんって、本当にふしぎなくらいいい人だよなあ。
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