ヒマワリ君の甘い嘘


私も、チャイムと同時に急いで自分の席へと戻った。



隣の席の日向くんは、いかにも不機嫌そう。



「(お、怒ってる………)」



目、合ったら何か言われそうだなー…。



私は持っている教科書で極力顔が見えないように覆った。


華、昨日の事でも驚いてたけど、今日また放課後に高崎くんたちとお残り、なんて言ったらすっごいニヤニヤしてきそう…。



そ、そんなつもりじゃ無いんだけど、私。


カリカリとみんなのシャーペンの音と先生の声。


今日の教室は静かだ。



少し蒸し暑くなってきた五月。


教室の窓が開いていて、心地良い風がカーテンを揺らす。








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