ヒマワリ君の甘い嘘




「おーし、座れー。出欠とるぞー」



チャイムと同時に、担任が教室に入ってきて、いつも片手にもっている分厚いノートを開いた。



朝休みの空気が、一瞬にしてホームルームになる。



クラスで話していた生徒たちは、急いで自分の席へ戻って行った。



なんか、日向くんが隣にいないと変な感じ。



いつもは、隣に威圧感を感じて過ごしていたけど。


それがないと締まらないっていうか、なんていうか。



「(本当に、どうしたんだろ…)」





風邪なら、早く治るといいな…って、
何を考えてるんだ私は!!



「(授業に集中しなきゃ…!)」



私は机に視線を向けると、少しだけ、本当に少しだけ淋しく感じる隣の席を横に、一日の授業を終了させた。



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