ヒマワリ君の甘い嘘



苺ちゃんは、そう言い残すと教室をでて行ってしまった。



やっぱり、誰も知らないんだ。

高崎くんですら知らないなんて。

…それとも日向くんが誰にも連絡していないだけかな?


「ね、立花さん」


後ろを振り向くと、高崎くんが片手にケータイを持って立っていた。



「…?どうしたの?」


「何話してんのー?」


は、華…!


私の後ろから華が顔を出す。

高崎くんも少し驚いたような表情をしたけど、そのまま続ける。


「やっとあいつから連絡が来たんだけどさ…」


そう言って高崎くんは、日向くんの席へ視線を向ける。


日向くんから?



良かった…生きてたんだ………
って、あたりまえか。



「風邪って本人は言ってるけど…。明日も来る気なさそうだからさ…」



内緒話でもする様に、声のトーンを落とす高崎くん。


華も私も、高崎くんに耳を寄せる。


「葵生の家に行って、明日学校来る様に言いにいこうと思うんだ。……………一緒に来る?」



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